こんにちは。

今日はお約束どおり、暗黙の了解についてのお話です。
業界標準とでも言えば良いのでしょうか。

当社では、OA機器、半導体検査、半導体検査、航空機、計測機器
、流量メーター、医療機器、弱電機器、燃料電池関連等のいろいろ
な分野のお客様とのお取引があります。以前にもお話しましたが、
愛知県にありながら、自動車関連のお仕事はかかわっておりません。
別に嫌がっているのではありませんよ、念のために・・・。

それぞれの業界ごとに、もしくはそれぞれのお客様ごとに図面には
直接記入されていない約束事が存在する場合があります。
特殊なところでは、航空機部品をいただいているお客様では、まず
は外観を大切にされます。製品に打コンがついてしまった場合には
たとえ寸法公差からはずれても、まずは打コンが消えるまで表面を
磨くことが要求されます。特別外観部品でなくてもそれがお客様の
やり方なのです。寸法公差をはずれることより傷を嫌うわけです。

また、半導体製造関連部品を納めているお客様では、クリーンルー
ムで使用する部品に関しては、一切の擦り傷は許されません。その
ために当社では、エアーガンをプラスチック製に替えたり、クラン
プ方法を工夫したりして、傷がつかない工夫をしていますが、図面
には特記してあるものとないものとあり明確には指示されていない
のです。しかし、それが当たり前になっています。

また、あるお客様のところでは、軸の一般公差はすべてマイナス公
差であり、穴はプラス公差です。ただしこの件に関してはあらかじ
め、指示書を取り交わし、きちんとした約束を取り交わしておりま
す。

このようにいろいろなお客様とお付き合いしているとお客様に合わ
せた対応をしなくてはなりません。また、図面ですべてを表現する
ことがいかに大変かを日々実感しております。

当社では時々、部品単体での納品ではなく、組み付けた際に保障す
べき精度を明記した組立図をいただき、製品を作る場合があります。
完成した状態を把握できれば、部品の積み重ねによる累積誤差を考
うる必要もないですし、各部品の組み付け方法もある程度当社にて
選択することもできます。こうした部分までを任せていただけば、
精度良く、また安価に製品を作ることができる場合もあります。
つまり、完成した状態での製品の用途が完全に把握できていれば、
より安く、精度良く作る方法をご提案できるわけです。

上記は当社が設計の一部を請け負った例ですが、当社では、大半の
仕事は図面がすべての情報源であり、図面に従ったモノづくりをし
なければなりません。

話を進めるうちに「ミナログ」のみどりかわさんの問いかけである
”そんな設計じゃ高くつくよ”というお題からだんだん横道にそれ
てしまいましたね。結論は、皆さんがおっしゃっているように、図
面は、設計者と加工者と検査担当者を結ぶ唯一の大切な情報源だと
いうことです。設計者が加工する人、検査する人の身になって、図
面を描いていただくことが大切だと思います。
みどりかわさんのおかげで改めて設計について考える機会をいただ
き感謝しております。今更ですが、設計は大変な仕事です。

p。s>みどりかわさん
  なかなかぶちゃけた話ができず申し訳ありませんでした。(笑)