皆さん、こんにちは!
蒲郡製作所の伊藤です。

今日は、先日ご紹介しましたミナログのみどりかわさんからの討論会の
題目「サービスロボット市場は、なぜ一向に立ち上がれない?」技術者
として思うこと。あれこれ。について考えてみようと思います。

でも、まずはサービスロボットとは何なんだろうというところからスタ
ートです。ロボットを辞書で調べると・・・
① 人造人間、ヒューマノイドのこと。
② 目的の作業、操作をパソコン制御で自動的に行う機械や装置のこと。
③ 自分の意思ではなく、他人に操られて動く人間のこと。
③はちょっと気になりますね。もともとロボットとは働くというチェコの
言葉からできた造語だそうです。

続いて、サービスロボットとは、サービス業つまり非製造業で使うロボットの
ことで、例としては、案内ロボット、すしを握るロボット、清掃ロボット
警備ロボットなどが挙げられていました。サービスロボットの定義は理解
いただけましたか。

私はロボットと聞くと、子供の頃は、鉄腕アトム、エイトマン、鉄人28号
人造人間キャシャーン、サイボーグ009などを思い出します。サイボーグ
もロボットも同じように見ていました。大人になってからは、やはりアイボ
とかアシモが真っ先に思い浮かびます。アシモは、長男が中学校の修学旅行
で、東京の本田技研のショールーム見学に行ったので、特に印象に残ってい
ます。

本田技研の開発したアシモは、ロボット三原則で有名なSF作家アイザック
・アジモフの名前から命名されたようです。ロボット3原則とは、以下のと
おりです。

① ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過するこ
  とによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
② ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、
  あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
③ ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己を
  まもらなければならない。

この考え方はソニーのアイボにも応用されたようです。

① ロボットは人間に危害を加えてはならない。自分に危害を加えようとしている
  人間から逃げる事は出来るが反撃してはならない。
② ロボットは原則として人間に対して注意と愛情を向けるが、ときに反抗的な態
  度をとる事も許される。
③ ロボットは原則として人間の愚痴を辛抱強く聞くが、時には憎まれ口を利く事
  も許される。

必ずしもロボットに対してこの考え方を適用しないといけないかと言えばそう
ではないと思いますが、基本的にロボットは人に危害を加えてはならないという
大原則は必要でしょう。

今回のお題では”サービスロボット市場が伸び悩んでいる”原因を追究すること
ですが、私はサービスロボット全体が低迷しているというより、ヒューマノイド
型のロボットの開発がうまくいっていないと考えたほうが現実にあっているよう
に感じます。人間型ロボットが我々の生活に入り込み、日常化するには時間がか
かると思いますが、特定の作業や能力を人の代わりに行うロボットは、今後飛躍
的に発展するのではと思います。

確かに我々技術屋は、自らの技術シーズに溺れ、ニーズにマッチしないものを開
発しようとする傾向はありますが、私の周りでは着々と不可能が可能になる取り
組みが進んでいる例もあります。

一例をお話しますと、知り合いのあるベンチャー企業は、人間の目の代わりをす
る人工眼球を十数年前から開発しています。それも目の代わりとして埋め込むの
ではなく、漫画ゲゲゲの鬼太郎に出てくる目玉親父のようなマスコットを作り、
肩の上に装着して使うことを考えてみえるようです。以前は漠然としたものがい
ろいろな問題をひとつひとつクリアし、あとほんの数年で実用化できるところま
できているのだそうです。

最後に今後のサービスロボット市場がどうなるかとの問いに対する答えですが、
今堀氏のおっしゃるように業界が伸び悩んでいるのであれば、消費者の真のニ
ーズをつかんでいないのではと思います。例えば、介護ロボットを開発する際に
考えなければいけないのは、介護を必要としている人がほんとうにそれ求めてい
るのかということです。

ロボットが人の能力に近づけば近づくほど、人がロボットに求めるニーズは多
様化、複雑化し、無限の広がりを見せるのではないでしょうか。
ロボットに関する知識がほとんどないまま、書かせていただきました。ご参考に
なれば幸いです。